ズバリ、家族信託をやった方が良い人はこちらの方々です

家族信託ニュース

こんにちは。

最近、家族信託のご相談を行っている中で、

ウチはそもそも家族信託を行った方が良いのですか?

と言うご質問を受ける事があります。

この答えは、

「家族信託を行いたい目的による」

のですが、例えば、認知症対策で家族信託をお考えの場合、成年後見や任意後見の財産管理方法と比較して検討する必要があるでしょう。

その中でいわゆる資産運用をしている方は、家族信託を行う事を検討した方が良いと思います。

その理由、色々とあるのですが、一言で言えば、資産運用と後見制度は相性が悪いからなのです。

この事をしっかりと理解していないと、後々痛い目にあう可能性があります。

1.資産運用をしている方

資産運用、いわゆる株や債権、投資信託を行っている方ですね。

国民年金・厚生年金の支給年齢が上がっていき、また、年金受給額が下がる可能性もあり、老後の資金対策のため、様々な資産運用をされている方も少なくないはず。

「投資」と聞くと損をしたり、怖いと言ったイメージがありますが、長期・積立・分散投資を行えば、リスクを最低限に抑える事ができます。

また、運用結果によっては、銀行にお金を預けるよりも良い利率となりますので、

「ガッツリと大儲けするのではなく、長期でコツコツ積み立てて、分散投資をして確実に自分の資産を増やしたい」

と言う考えで資産運用をしている(もしくは考えている)方も普通にいらっしゃいます。

では、このように資産運用を行っている方が認知症になり、成年後見制度を利用した場合、そのまま資産運用を継続する事が出来るのでしょうか?

理屈上は、ハイリスクな商品ではない限り、成年後見人が本人の代わりに運用をする事が可能です。

本人の財産の管理・処分は成年後見人の権限の範囲内ですので。

しかし、成年後見人が資産運用の知識が無かったり、投資について偏見を持っている場合はどうでしょうか?

投資なんてやった事ないし、分かんねーよ。

もしくは、

投資なんて金持ちがやるもの。善良な一般市民はそんな事をやるのはケシカラン!

と、本人の意思を無視して金融商品を全て解約し現金化する可能性もあります。

これも成年後見人の権限の範囲内で出来る事です。

本人が、「年利●%で運用出来ているので、老後資金の足しになる」と考えていたとしてもです。

このように、投資信託は成年後見人の個人の能力・考え方で、本人の意思とは全く異なる結論になってしまう事があるのです。

2.アパート等、投資用物件を持っている方

こちらも大きな意味では資産運用に該当しますが、いわゆる投資用物件を持っている方ですね。

日本の人口は減少傾向にあり、今後は不動産が余ってくる傾向にありますが、それでもワンルームタイプのマンションは投資用物件として人気があります。

また、昔からの地主さんはアパートを建設して家賃収入を得ている方もいますね。

空き室等のリスクはありますが、それでも上手くアパート経営を行えば定期的な収入になりますが、大家さんが認知症になり、成年後見制度を利用した場合はどうでしょうか?

基本的には投資と全く同じ考えなのですが、投資用物件ならではの問題を挙げてみます。

・空き室になれば収入が入らず、費用(固定資産税等)だけが出て行く。
・大規模修繕が必要な場合、多額の資金が必要になる。
・入居者との細かい対応が必要になる。等
アパート等の投資用物件を持つと言う事は経営者になると言う事であり、成年後見人も経営者本人と同様の動きが求められるでしょう。
このアパート等の経営についての能力がなかったり、「面倒くさい」「管理が大変」と思う成年後見人であれば、最終的には投資用物件を売却してお金に換えるでしょう。
裁判所には適当な理由をつけてしまえば良いだけですし、これも成年後見人の権限の範囲内です。

3.成年後見人の家族信託潰しについて

では、投資信託も投資用物件も家族信託を利用して信託財産にすれば大丈夫!と言う事になりそうですが、実はそうとも言い切れないのです。

実は「成年後見人による家族信託潰し」と言う事がどうやら行われているみたいなんですね。

家族信託は原則のルールとして、委託者と受益者が合意の下、いつでも信託を終了させる事ができます。

まぁ、当然ですよね。

家族信託はそもそも委託者が受益者のために行う制度ですから。

そして、いわゆる認知症対策の委託者=受益者の家族信託で、委託者が認知症になって仮に成年後見人が選任されたら。

(後見の申し立ては4親等以内の親族ができます。)

成年後見人が委託者=受益者の立場として、突然信託を終了させてくる事があるのです。

それはなぜか?

色々な理由が考えられますが、弁護士や司法書士等の専門職後見人の報酬は、管理や処分した財産によって増える為だと思います。

例えば、家族信託を終了させ、信託財産であったアパートを本人(成年被後見人)の元に戻し、その上でアパートを売却する。

そうすれば、成年後見人は数百万円の報酬を手に入れる事ができます。

これは本人の意思を無視した暴挙ですが、それでも適当な理由を作って裁判所に報告する事で、いくらでも行う事が出来ます。

このような専門職後見人による無意味な信託潰しを防ぐ為には、信託契約書の内容を工夫して、専門職後見人が単独で家族信託を終了できないようにする必要があります。

4.まとめ 資産運用系と成年後見は相性が悪い

日本人的な感覚として、

「お金は手に汗かいて得るもの。楽して儲けるなんてダメ。」

と言う感覚が多く、民法も家庭裁判所も同様の考え方だと思われます。

そして、成年後見制度は家庭裁判所の管轄下で行われている為、資産運用の考え方と成年後見の財産管理の考え方は、ハッキリ言って相性が悪いのです。

だからこそ、規模の大小は関係なく何らかの資産運用を行われている方は、家族信託を含む認知症対策を真剣に考えた方が良いでしょう。

※「ウチは資産運用を行っていないから、別に家族信託は必要ないね。」と言うわけではありませんのでご注意下さい。

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